シクロデキストリンを基盤とする機能性超分子の構築とDDS用薬物担体への有効利用

大学院生命科学研究部 薬物治療設計学 製剤設計学分野
教授・有馬 英俊
講師・本山 敬一
助教・東  大志
URL:http://seizai.pharm.kumamoto-u.ac.jp/
E-mail:arimah@gpo.kumamoto-u.ac.jp
研究プロジェクト名・概要
  1. デンドリマー/シクロデキストリン結合体 (CDE) およびシクロデキストリン含有リポソームによる新規遺伝子・shRNA・siRNA 導入担体の構築
  2. シクロデキストリンpolypseudorotaxaneを利用したタンパク質性薬物および核酸医薬の持続放出システムの構築
  3. 新規抗がん剤としての葉酸修飾メチル化シクロデキストリンの開発
  4. シクロデキストリンによる難水溶性薬物の溶解性・バイオアベイラビリティの改善とその機構解明:競合包接、トランスポーター、薬物代謝酵素、脂質マイクロドメインの関与
  5. シクロデキストリンによる固形薬品の結晶多形の制御
  6. 低分子薬物およびタンパク質性薬物の製剤特性改善を企図したシクロデキストリンの構築と評価
  7. シクロデキストリン/薬物複合体およびシクロデキストリン/薬物結合体含有リポソームによる抗腫瘍効果の増大
  8. 新規医薬品および化粧品素材としてのサクランの有効利用に関する研究
最近の研究トピックと可能な技術提供
α-CDE および GUG-β-CDE が in vitro /in vivo 用トランスフェクション試薬として、コスモバイオ株式会社より発売されました。(商品名 : SAFETRANCE)
培養細胞系および in vivo (静脈内投与)において肝実質細胞への遺伝子導入効率および安全性に優れる新規キャリア (Lac-α-CDE) を開発しました。 シクロデキストリン polypseudorotaxane ハイドロゲルを用いて、インスリンやリゾチームの徐放化システムを構築しました。
葉酸修飾メチル化シクロデキストリンが腫瘍細胞選択的に細胞障害性を示し、ドキソルビシンと同等の抗腫瘍活性を有することを明らかにしました。
スイゼンジノリ由来超高分子多糖体サクランのハイドロゲルにより、低分子薬物やタンパク質性薬物の徐放化に成功しました。



[キーワード]  シクロデキストリン、超分子、デンドリマー、リポソーム、DDS、遺伝子治療
シクロデキストリンを基盤分子として、デンドリマーおよびリポソームなどのドラッグキャリアとの複合担体並びにポリ擬ロタキサン超分子などの新規機能性超分子を構築し、難水溶性低分子薬物・タンパク質・ワクチン・遺伝子・shRNA・siRNA・dsRNA などに対するDDS用担体への有効利用に関する研究を行っています。我々が開発した新規DDS用キャリアの実用化にご協力頂ける企業ならびに共同研究をご希望される大学・研究所等からのご連絡をお待ちしています。