応用:無線タグ,小型無線端末,BAN(Body Area Network)等
UHF帯無線タグや,ボディエリアネットワーク(BAN)等の医療応用を目的とした,小型で薄いアンテナの開発中である.特に,アンテナの背面には金属板を設け,背面にある物体の影響を減らして,かつ薄型で小型な構造を目指している.
大きさはいろいろなバージョンがあり,例えば,50μmの厚さに,長辺が0.02波長程度のもので,背面板近接させても,放射効率は10%を超えており,さらに大きくするような構造を検討中であり,数10%程度が見込まれている.
この構造は,どこにでも貼れるアンテナであり,いろいろな応用が考えられると思います.また,これらの小型アンテナは,多くの電子回路に用いられる不平衡(信号とグラウンドによる構成)伝送路にも対応していますが,しばし問題になる伝送路等へ漏れ電流を少なくできることも確かめている.
また以上の構造を備えつつも,直線偏波であるものから,現在円偏波に対応するものも検討中である.
以上の研究結果は,特許出願のほか,各種論文でも発表されており,ユビキタス社会へ大きく貢献すると期待できる. |
応用:レーダ,無線LAN,GPS,衛星通信,小型無線端末,他
帯域が中心周波数に対して20%以上,平面型では40%以上という帯域に亘って円偏波を発生するアンテナについて研究である.円偏波は,ある条件の下,壁等による反射の前後で回転方向が変わるという性質があり,レーダのクラッタ除去,マルチパス除去の効果があります.また,アンテナ放射面内の角度に依存しない性質から,GPSや衛星に使われている.
これを広帯域で実現することで,高速通信,パルスレーダ等や,多くの周波数帯を一つのアンテナでカバーできる等のメリットがあり,また,本研究室で開発された導波管型の場合,高利得広帯域円偏波アンテナも可能である.また,アンテナを平面型にする技術も開発しており,比帯域50%超も可能である.
さらに,メタマテリアルを用いた広帯域円偏波平面アンテナも研究中です.小型にしても,ある程度の帯域が確保が可能である. |
|

厚さ50μmのポリイミド基板上に作成された小型・薄型アンテナ.背面には金属板があり,素子の大きさは,約6mm(0.02波長)×3mmであり,960MHz帯(UHF無線タグ用)で動作する.放射効率は10%を超えるが,さらに上昇させる構造を研究中である. |

断面が正方形の導波管にL字型の給電プローブを装荷することで,広帯域な円偏波が発生可能である.ホーンやパラボラの追加で,高利得かつ広帯域な円偏波も発生可能である. |
|