小児期に発症する遺伝性の腎臓病(アルポート症候群)の原因となるタンパク質(コラーゲン)の異常を高感度で検出する技術を確立し、その異常を是正できる治療薬開発を可能にしました。

 これまで、アルポート症候群の患者は、原因タンパク質である4型コラーゲンの異常により、慢性的な腎機能の低下が引き起こされ、腎不全へと移行することが余儀なくされることが明らかになっていました。しかしながら、原因は解明されているにも関わらず、原因を正し、4型コラーゲンの働きを機能させる(是正する)ことによる新たな治療法の開発には未だに至っていません。従来法よりも、労力・時間を短縮し、高感度に4型コラーゲンの是正をモニターできるシステムを世界で初めて構築しました。また、このシステムを用いると、多くの医薬品候補化合物を同時に解析することが可能となり、アルポート症候群の原因にアプローチする画期的な治療薬開発に繋がることが期待されます。