(1) 難治性皮膚疾患治療に特化したUVA1-LED光線治療器の開発

難治性皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、乾癬等)の治療の際、内服薬・外用薬で治療効果が得られない場合に紫外線を利用した光線治療が行われます。今回、低消費電力・長寿命、低温かつピンポイント照射が可能、波長選択性に優れる、Ⅲ族窒化物半導体による紫外発光ダイオード(Ultraviolet Light-Emitting Diode: UV-LED)に着目し、 UVA1-LED光線治療器を開発しました。

従来の光線治療器と比較して、消費電力、照射強度の均一性、小動物によるUVA1光照射時の体温・皮膚表面温度において優位性を示し、皮膚病原細胞のアポトーシス誘導では従来の光線治療器と光生物学的に大きな差は見られませんでした。

UVA1-LEDは安全かつ効果的な治療が可能であり、難治性皮膚疾患の治療に加えて癌治療や殺菌にも用いることができます。

      

 

 

(2) 腹腔鏡下手術支援のための蛍光クリップ及び検出システム開発

腹腔鏡手術における胃癌の正確な位置を同定するためのガラス蛍光クリップと検出システムを開発しています。

近年では胃癌の手術として主流となっている腹腔鏡手術では、腫瘍の位置をピンポイントで特定することができず、不必要な胃部位まで切除せざるを得ませんでした。しかし、生体透過性が高い近赤外波長を用いた蛍光クリップを用いることで、胃癌の正確な位置を特定することができます。