● 嫌気性アンモニア酸化(Anammox)細菌を利用する窒素処理技術

これまで,アンモニアなどの還元態窒素を高濃度に含む排水の窒素処理には硝化・脱窒反応を利用する微生物処理が基本であった。

これに対し,1990年代後半に発見されたAnammox反応を利用する窒素処理技術が注目されている。本反応を触媒するAnammox細菌は,その増殖と活動に酸素や有機炭素源(えさ)を必要とせず,高速な処理を実現できるため,コストやスペースを大幅な削減が期待できる。

我々の研究室ではさらに,淡水に生息するAnammox細菌に加え,耐塩能の高い海洋性Anammox細菌の集積培養に成功し,現在は,膜分離生物反応槽(MBR)を活用する一槽型の部分亜硝酸酸化・Anammox法の研究開発に取り組んでいる。

 

● タンクモデルによる水位・水質シミュレーション法の開発

タンクモデルは1970年代に菅原博士が考案された流出解析手法で,その後,計算機の飛躍的な能力の向上とともに開発された数多くの物理モデルが存在する現在においても,河川の氾濫解析,土砂崩壊メカニズムの解釈などに用いられる実用性に優れたモデルである。タンクモデルの最大の長所は,情報量が限られ,物理パラメータが得られない条件でも水文学的挙動をシミュレーション可能なことである。

我々の研究室ではこの様なタンクモデルの特徴・長所に着目し,測定可能なデータが極めて少なく,視認も不可能な地下水に対し,複雑な挙動を示す地下水位の変化と水質変動のシミュレーションに適用すべく研究を行っている。これまでに,地下地質を考慮し豪雨時の地下水位変化を把握できる鉛直モデル,および硝酸性窒素濃度の変化をシミュレーション可能な鉛直モデルを構築し,現在は,湧水域での水位や水質の変化に適用可能な並列タンクモデルの開発に取り組んでいる。