●超音波を用いた大腸内部の便の状態の判定アルゴリズム

 

 老人保健施設の高齢者や在宅療養者などの排便ケアは、スタッフにとって大きな負担となっています。ケアの一環である腹部膨満や便秘の診断には触診・聴診・問診が行われていますが、定量的なアセスメント方法は確立していません。

 より正確で簡単な診断方法として、超音波エコー装置を用いて音響特性を考慮しながら便の性状を客観的に判断する方法および排便コントロールのケア方法を研究しています(図1)。

 これまでの成果として、高齢者の大腸内部の超音波画像から特徴量を抽出し、大腸に滞留するガスの検出、および便の性状を診断する半定量的評価手法を開発しました。現在、自動診断アルゴリズムの精度向上を行いながら社会実装を目指しています。

 

 



 

●フレキシブル超音波センサによる常時排便モニタリングとAI解析

 薄型でフレキシブルな超音波PZTセンサをおむつに取り付けることで(図2)、臀裂部から直腸のエコーを撮ることができ、AIを用いて解析することでタイミングや便の性状などを知ることができます。その結果、排便直前あるいは直後のタイミングでアラートを出したり、患者の健康状態をモニタリングしたりすることができます。