本研究室は、本学でCTスキャナーを使う研究グループの一つとして、研究・教育活動をしています。対象とする材料は、地盤材料ですが、CTスキャナーが適用できる材料であれば、異分野(医学・理学・農学・考古学・古生物学)の方々とも共同研究をしています。

 本学で所有しているマイクロX線CTスキャナーは、供試体サイズがおよそ1㎝程度のものに対して一画素サイズが4-5mm程度の解像度を有しています。材料にもよりますが、直径が15㎝程度の砂地盤であれば、中の様子を観察することは可能です。我々の対象は、地盤材料であり、地盤材料に関する油汚染、変形や破壊、乾燥劣化、凍結融解による劣化問題を対象に、CT室内外でCT撮影が可能な力学的実験装置を独自に開発し、材料内部の変化をCTスキャナを使って可視化しています。可視化されたデータは、CT画像と呼ばれるデジタル画像であるため、得られた画像を定量評価するために適宜研究目的に応じた画像処理・解析を行っています。さらに、得られたCT画像から幾何学情報を抽出し、有限要素法や格子ボルツマン法を使って、材料内部の変形問題や流体挙動を評価しています。