本研究では、HIV-1放出阻害剤を探索するための、ハイスループットスクリーニング技術を開発した。本スクリーニング技術は、従来の技術と比較すると、費用面、時間面、測定範囲面が改善され、簡易的に測定できるようになった。本技術を使えば、1週間で4万種類の化合物を低コストでスクリーニングすることができる(下図参照)。
 

 

現在、この技術を展開し、HIV-1に限らず、ウイルス全般でウイルス量を定量できる技術を開発している段階である。この技術が開発されれば、今回流行している新型コロナウイルスだけでなく、未知の新興感染症関連ウイルスに対しても、迅速に粒子量を定量できることが期待される。

今後、未知のウイルスがパンデミックを起こした場合でも、この技術を利用することで、新規薬剤の探索を迅速に開始することができる。今回のSARS-CoV-2ように、治療薬の開発が遅れることによる社会的、経済的影響は甚大であるため、本技術は社会的に大きく貢献できると考えている(下図参照) 。