私達はナノ秒パルス高電界やUVパルスレーザーといった新しい物理的刺激を生命科学に応用することを目指しています。

●ナノ秒パルス高電界による細胞の刺激と免疫反応の誘発

私達は、新しい癌治療法として期待されているナノ秒パルス高電界が、新しいタイプの生体ストレスとして作用して細胞死を誘発することや、免疫細胞への刺激となりうることを示しました。

   図はナノ秒パルス高電界 (nsPEFs) が免疫細胞(好中球)を刺激した際に生じる反応
   Scientific Reports Vol 9, Article No. 8451 (2019)
   熊本大学プレスリリース: https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/sizen/20190612

    

 

●UVパルスレーザーにより細胞核の任意の部位でDNAを切断

DNA鎖の完全な切断であるDNA二重鎖切断は最も重篤な細胞障害であり、癌の放射線治療の基盤となる現象です。私達はUVパルスレーザーを用いて生きた細胞核の任意の部位にDNA二重鎖切断を誘発する手法を確立し、これを用いて細胞のDNA損傷応答を研究しています。

   図は核内タンパク質Top2Bが、DNA切断部位に秒単位で集まる様子のライブイメージング。 
   Scientific Reports Vol 8, Article No. 10344 (2018)
   熊本大学プレスリリース https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/sizen/20180718