タンパク質の定量は生命科学実験の根本的技術ですが、抗体の有無と特異性に大きく依存しています。本技術は抗体を用いずに質量分析によってタンパク質の絶対量を測定する技術です。

 さらに、定量系の構築にはタンパク質自身は必要なく、アミノ酸配列情報のみから構築することが可能です。

 

 

 

 

 

 ELISAに対する本定量技術の利点、欠点

ELISAに対する利点
• 配列情報のみから定量に最適なペプチドを選択し定量系を構築することが可能。
• 約1ヶ月で定量法を確立可能。
• 抗体作成時に必要な抗原タンパク質や実験操作等は不要。
• 10-40分子の絶対発現量を同時定量可能。
• 1アミノ酸の相違や翻訳後修飾の相違を区別して検出する特異性の高い定量が可能。
• 実験的な特異性の確認は不要。データベース検索のみで特異性を確認可能。
ELISAに対する欠点
• 親和性の高い抗体による検出と比較すると感度が低い(0.1-1 fmol/assay)。
• 装置が高額である(数千万円~1億円)。
• 多検体を短時間で測定することが困難(20分/検体)。