ペプチド、抗体医薬、核酸医薬は分子標的治療の中心となるバイオ医薬品であり、従来の低分子医薬品に比べて劇的な治療効果が期待されています。一方で、バイオ医薬品は高分子化合物のために生体に存在する組織関門を容易に透過できないことが経口バイオ医薬品や脳移行性バイオ医薬品の創薬において大きな問題となっています。そこで私達はバイオ医薬品のような高分子化合物の組織関門透過技術開発のために、in vitro細胞透過実験による環状ペプチド提示phage libraryのスクリーニング法を構築し、高分子化合物の小腸および血液脳関門透過を可能にする環状ペプチドを同定しました。本環状ペプチドを共投与もしくは結合することによって、経口投与型バイオ医薬品や脳移行性バイオ医薬品の創薬が可能になることが期待されます。