●背景・課題
 マイクロRNAやsiRNAなど様々な遺伝子発現抑制技術が知られているが,いずれの技術に関してもmRNAに結合するという単純な機構において,遺伝子発現抑制機能を発揮するため,予期せぬ効果(オフ・ターゲット効果)が課題となっている。

● G-quadruplex構造構築とタンパク質翻訳反応の抑制
 本技術ではmRNA上に存在する安定なグアニン四重鎖(G-quadruplex)構造に着目した。任意のmRNAに人為的にG-quadruplex構造を誘起することが出来れば,疾病に関連するタンパク質の発現量を抑制することが可能となる。
 具体的にはStaple核酸を利用するDNA oriami(オリガミ)技術を応用し,配列選択的に標的mRNAを捉えて折りたたみ,標的mRNA上に安定なG-quadruplex構造を誘起することで,選択的にタンパク質の翻訳を抑制する技術を開発した。