●社会調査データの統計分析
法律の内容が実際には社会の中でどの程度守られているか、法律が作成された時の意図通り
に人々は行動しているかといった問題を、既存データの統計分析や、アンケート調査・実験など
の社会調査で新たに得たデータの統計分析により、解明しようとしています。統計分析は法学
だけでなく、経済学、社会学、政治学、心理学など社会科学の諸分野、さらには理系の分野と
も共通する方法が確立しており、広く様々な分野に応用が可能です。

●社会科学における実験的手法
実験の方法を利用して、法が人々の行動に与える影響を検証しようとしています。かつて文系
分野では実験ができないと言われることがありました。しかし、現在では経済学や心理学などで
実験が行われ、アンケート調査と組み合わせたサーベイ実験という手法もあります。

●質的比較分析(QCA)
QCAは、統計分析を行うにはデータの数が少ないが、ある程度は事例の数がある場合に、シス
テマティックな分析を行うことができる方法です。定量的方法と定性的方法の中間に位置します。
ブール代数や集合論を用いて、当該結果が生じる必要条件や十分条件を見つけようとします。