●円偏波アンテナ技術の開発
電界成分を回転させながら伝搬する電波を円偏波という.円偏波は,アンテナの波面内の角度に依存せずに送受信を行えたり,マルチパスフェージングの除去ができる長所がある.現在,円偏波を広帯域にわたって送受信するアンテナや,小型でかつ広角な送受信が可能なアンテナの開発を行っている.これらは移動体衛星等の通信の他,レーダや,電波を用いた計測,各種センサ,無線タグ,無線センサーネットワークへの応用が考えられる.


●メタマテリアルのアンテナ応用
アンテナやマイクロ波回路に周期構造を導入し,自然界の物質には存在しない電気的特性を人工的につくる技術をメタマテリアル技術という.この技術を用いて,位相やインピーダンス等の特性が波長に依存しにくい構造を見出し,これまでの常識を超えた広い周波数帯域にわたって動作するアンテナ技術を開発している.これにより,通信への応用のみならず,これまで以上の分解能を実現するレーダや,各種センサへの応用を目指している.