学習管理システム(LMS; Learning Management System)のログデータは、学習者の操作を記録したデータで、それをそのまま分析することはできない。何を学習者にフィードバックするか、学習効果のある可視化された情報提供をゴールに、必要となるデータへ整形して、分析し、可視化という手順が必要です。
 

記録データを整形してデータベースに保存しておくことで、過去データと最新のデータの比較や場合によっては予測が可能となります。


学習者が操作したログを眺めても何もわからなかったことが、データ構造を工夫し、特徴のあるデータに分類することで、通常の考察から見つからなかった学習者の行動を発見できる可能性があります。このようにデータにどのような意味が内在するか、データ構造を工夫し、その特徴となるデータに着目して分類することで、眺めても気づかなかった事例を発見できるかもしれません。
 

下に示したフロー図は、問題解決のために、情報資産を用いて利用者にフィードバックを返すまでの流れを示しています。(1)測定・収集のフェーズでは、利用できる情報を測定したり、すでに関連する情報を収集しているフェーズです。そのままのデータでは、分析できないため、問題解決に必要な利用者へのフィードバックを検討し、フィードバックの対象を明確にして、どのように分析するかという方針をもとに(2)整理というフェーズが必要となります。整理されたデータを用いて(3)分析と(4)可視化を行います。分析した結果と可視化された結果をもとに、問題解決のための(5)フィードバックが行われます。このように情報資産を用いた問題解決のための取り組みの経験が社会の情報資産の扱いに還元できるのではないかと考えています。