右上図は、学習管理システム(LMS)のコンテンツ中に、定期更新されるグラフを埋め込んだ例で、右下はその手法を示します[1]。この例は、LMSの内部データに定期的にアクセスし、それをRプログラムで処理した結果を、シングルサインオン(SSO)で認証連携した場所に置き、LMSのコンテンツ中に埋め込んだものです。
 LMSやeポートフォリオ等の学習支援システムは、eラーニングだけでなく、対面の授業や研修でも多く使われるようになってきました。また、その組み合わせによる活用も進んでいます。最近注目されていることの1つは、対面の学修形態と異なり学習者の詳細な学習履歴がシステム上に残ることです。そのデータを分析することで、学習に行き詰まっていないかとか、効率的な学習が出来ているとか、さらにこのままでは心配だといった予測まで可能となってきており、ラーニングアナリティクス(学習分析)という分野として注目を集めています。
 当研究室では、学習分析を行う上での国際的標準規格であるIMS Caliperに準拠した学習者支援ダッシュボードの開発[2]や、色々な学習データの可視化、分析[3]に取り組んでいます。
 また、Web APIを用いた学習支援システムの開発や、それらの連携にも取り組んでいます。


[1] 中野,喜多,松葉,Wannous,宇佐川, Rstudio Server,knitr等を活用したフレキシブルなWeb によるデータ分析機能提供の試み.JSiSE第41回全国大会,pp.13-14 (2016.8).
[2] 槇原, 久保田, 杉谷, 中野, 自己調整学習の支援を目的としたダッシュボードの開発研究-国際標準規格IMS Caliperに基づく実装-, 情報処理学会CLE研究会,24, pp.1-6 (2018.3).
[3] 中野, 古川, 大渡, 久保田, 杉谷, 島田, 授業中の学習者のページ遷移のレーベンシュタイン距離による分析の試み, 情報処理学会CLE研究会,26, pp.1-6 (2018.12).