●離島系統の電力供給
 離島では、電力は主にディーゼル発電機で供給されている。そのため本土に比べ発電コストが高いので、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギー電源の導入が進められやい。しかし、これら再生可能エネルギー電源は日射量や風速により出力が変動し、周波数変動のみならず、電力系統の信頼度にも影響を与える。


 

●太陽光発電による供給信頼度と投資に対する日射パターンの影響
 夏季の最大需要の平均が80MWと仮定した離島で、年間日射量パターンだけが異なるものとする。10MWのディーゼル発電機を1台取り除いた時に、同じ供給信頼度(LOLP)を維持するのに必要な太陽光発電の設置容量を求めた。その結果を表1に示す。
 その結果、電力のピークである夏に日射量が多い離島1の方が、太陽光発電の容量が少ない。しかし太陽光発電の全出力が固定価格買い取り制度(FIT)で売電される場合、離島3に比べ離島1や離島2のように年間平均日射量が多いと、太陽光発電への投資を早く回収できる。すなわち、供給信頼度はピーク期の日射量によるが、投資回収は年間平均日射量に依存する。