●光でコントロールするドラッグデリバリーシステム
金ナノロッドは棒状の金ナノ粒子で、近赤外光を吸収し、発熱する。この発熱を利用して、薬物を特定の場所、特定のタイミングで放出させる技術、あるいは、特定の場所に送り届ける技術を開発している。

●銀ナノ粒子の抗菌活性
銀ナノ粒子は抗菌活性をもつことが知られているが、その分散安定性をコントロールすることは難しく、多様な応用展開は進んでいない。そこで、この銀ナノ粒子を金や様々なポリマーで表面コートすることで、分散安定性を高め、ドラッグデリバリーシステムの技術も駆使し、難治性の感染症治療へ適用できる機能性銀ナノ粒子を開発している。

●生分解性マグネシウムステントの機能性コーティング
血管の狭窄部位を拡げ、血流を確保するステントは循環器疾患治療における代表的な医療機器である。マグネシウム合金製ステントは生分解性であり、長期留置による副作用を考慮する必要はないが、その分解速度のコントロールや薬物放出システムには未解決な問題が多い。そこで、機能性ポリマーによるコーティングで、これら課題に挑戦している。