●非線型分散型方程式の解の平滑化効果について
非線形シュレディンガー方程式、KdV 方程式などの非線型分散型方程式は解の平滑化効果を示す。解の平滑化効果とは初期値関数の正則性より方程式の初期値問題の解の正則性が増大するという現象である。分散型方程式は方程式自身の持つ分散性により波の大きな振動モードが早く減衰する。すなわち解の非正則部分の減衰が早く起こり、解自身が滑らかになる。これにより方程式の初期値問題の時間局所解が構成可能となる。
●非線型分散型方程式の解の時間大域的挙動について
方程式の時間局所解が構成されたならば、それの時間大域的延長可能性、および時間大域的挙動を調べることが重要である。このことは散乱理論と密接に関係する。私は、時間に依存する電磁場ポテンシャルを持つ非線形シュレディンガー方程式について、上記の性質を研究中である。