我々は最近、塩基触媒を用いるアルキニルナフトールの酸化還元不均化型プロトン移動(ナフトールのQMへの酸化 / アルキンのアルケンへの還元)によってVQM中間体が効率よく生成することを見出すとともに、本反応を鍵として様々な環化反応([4+2]環化付加ヒドロアリール化)の開発に成功した。
 さらに、キラル塩基触媒によるVQM生成反応のエナンチオ制御に基づく不斉環化異性化も達成した。これにより、極めてユニークな複素環化合物を光学活性として得る方法を確立した。通常、アルキンの求電子的活性化は酸触媒を用いて行われる。塩基を用いてアルキンを活性化する本法は、極めてユニークである。