【背景・目的】

百聞は一見に如かず
 物理現象の機序の理解には、その現象の直接的観察が大きな役割を果たす。当研究室は、実験力学に基づいた光応用計測技術を駆使し、その事象の可視化に挑戦している。特に、一般的に難しい「力を見ること」に注力し、固体に作用する力学場(変位・ひずみ・応力)の可視化を得意とする。その計測領域は、対象物表面(平面・曲面)に留まらず、非透明物体の内部の三次元力学場にも及ぶ。
 現在は主に、デジタル画像相関法(DIC法)およびデジタルボリューム相関法(DVC法)を使用し、バイオメカニクス分野の一領域であるセルメカニクスにおいて、細胞と細胞外マトリックスの力学的相互作用の解明に取り組んでいる。

 

【研究概要】

細胞-細胞外マトリックスの力学的相互作用
 私たちの体を構成する細胞は、周囲の細胞外マトリックスと相互作用しながら、その機能を調整している(ホメオスタシス)。その相互作用において、力学的な相互作用が重要な役割を果たしていることが最近分かってきている。当研究室は、細胞が細胞外マトリックスに形成するnmmmサイズの力学場を定量的に可視化し、この力学的相互作用の解明に取り組んでいる。具体的なテーマの例を次に挙げる。