【背景・目的】
熊本大学はアミロイドーシス診療センターを有しており、本邦における心アミロイドーシス研究の中心的な施設である。我々は高齢者に多く潜在的に存在するトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)を中心に疫学データの収集、早期診断を目的とする研究を立案した。
【研究概要】
【トランスサイレチン型心アミロイドーシスについて】
- 高齢になるほど心不全の罹患率は上昇し、超高齢化社会を迎えた我が国はまさにいま「心不全パンデミック」を迎えている。
- 高齢者心不全の原因疾患としてトランスサイレチンを前駆蛋白とするトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)が注目されており、従来考えられていたより頻度の高い疾患であると考えられるが、ATTR-CMの実態は十分に把握できていない。→ATTR-CMの診療実態把握が必要
- 2019年よりタファミジスという治療薬が承認されたが、進行を抑制する薬剤であるため早期診断、早期治療が予後改善のためには必要である。→ATTR-CMの積極的早期診断が必要