【背景・目的】
現在の超高齢化社会を迎え、脳卒中・心筋梗塞の素因となり血栓症や動脈硬化症及び病的な血管新生に起因するがん増殖・転移での死亡率は年々上昇しています。これらの病態にはいずれも血管が深く関与しており、血管の生理・病理変化に焦点をおき、凝固・炎症・透過性・血管新生の基本原理を分子レベルで解明していくことがその第一ステップです。特に血管系の基礎を構築する内皮細胞での遺伝子発現変化・エピゲノム変化を包括的に追跡し、かつその制御システムを理解していくことに挑戦していきます。
【研究概要】
血管動態の表現型解析研究から、がん・動脈硬化・血栓症などの血管の病態を理解し、治療法を考える
血管内皮細胞の動態変化を包括的に調べる
アクセルとブレーキを介した内皮活性化システム
恒常性システムの破綻による血管病の分子機構を解明する
生体は優れた恒常性維持システムを保有しており、血管内皮細胞も様々な刺激やストレスをアクセル / ブレーキシステムを介して下流に適切に伝え、血流・血圧・自然免疫・炎症や凝固・血管新生反応を担っている。本研究室では、シグナル制御の中心を担うこのようなアクセル・ブレーキ因子の機能解明と抗血管新生創薬としての価値の創出を目指している。