【技術紹介】
熊本大学生命資源研究・支援センター 動物資源開発研究施設 (CARD) では、マウス及びラットのバンクシステムを運営しています。本システムでは、マウスの胚・精子を液体窒素下に凍結保存し、必要時にそれらからマウス個体を作製しております。これにより、基礎医学・生命科学研究などで多用される遺伝子改変マウス等の系統保存と簡便な輸送が可能になります。本システムは、民間企業向けにも展開されています。
原則無料でマウス系統を保存してその情報を公開する公開マウスバンクシステムと、有料でマウス系統を保存し外部へ公開しない有償マウスバンクシステムをご利用いただけます。
パンデミック、災害発生時のバックアップとなる
新型コロナウイルス拡大によって、マウス飼育が困難な状況となり、国内外で遺伝資源の保存が急がれています。また、昨今災害の多い国内において、バックアップとして、マウス・ラット系統のマウス胚及び精子凍結保存が求められています。
遺伝子改変ラット精子の凍結保存の効率化に成功
熊本大学生命資源研究・支援センターの中潟直己教授 (現 特任教授)・竹尾透講師らのグループは、ラット精子の効率的な凍結保存に成功しました。できるだけ精子に物理的刺激を与えない新たな凍結方法を考案し、凍結融解精子の運動性を損なわず、効率的に受精卵および産子を作製する技術を世界で初めて確立しました。
今回開発した技術は、遺伝子改変ラットの効率的な保存や利用を促進し、難病に対する治療法の開発を加速させることが期待できます。
ラットバンクを利用できるのは国内大学では熊本大学だけです!