【背景・目的】

・ウイルス感染症において、T細胞はウイルスの感染制御に重要な役割を果たしている。

・ワクチン開発において、抗体だけでなく、ヒトT細胞の抗ウイルス活性を評価する技術が必要である。
 → ウイルス感染ならびにワクチン接種で誘導されたウイルス特異的T細胞について、量ならびに質的な応答について評価することを目的としている。

 

【研究概要】

 

・ウイルス特異的ヒトT細胞の誘導と検出 : わずかな細胞から高感度にウイルス特異的T細胞を検出することが可能。

方法について : 

  1. 活性化マーカー (CD25, CD137など)
  2. サイトカイン産生 (IFN-gなど)
  3. テトラマー (ペプチドMHC四量体)染色
  4. IFN-g ELISpotアッセイ
  5. T細胞のウイルス感染細胞に対する抗ウイルス活性

・他の研究との優位性・オリジナリティ:
ヒトT細胞のウイルス感染細胞に対する抗ウイルス活性を評価する実験系を構築した。
ヒト新型コロナウイルス特異的T細胞存在下におけるウイルス複製阻害を示している 
(上図参照)。

・本研究により期待される社会的な波及効果:
ワクチンの評価に、中和抗体 (液性免疫) だけでなく、ヒトT細胞応答 (細胞性免疫) を追加出来る。

 

・将来社会に対してどのよう貢献したいと考えるか:
ヒトT細胞の解析を通じて、ウイルス感染症に対する効果的なワクチン開発に貢献したい。