【背景・目的】
日本では、蚊が伝播する病気(蚊媒介性感染症)として、2014年に首都圏で流行したデング熱や日本脳炎が知られている。日本国内では大規模な流行はみられていないが、温暖化や飛行機などの輸送機器の発達による人流・物流の活発化、都市化による環境変化などによって、蚊媒介性感染症の流行する危険性(リスク)が増している。このような状況に置かれている今、どのような場所で流行するリスクが高いのか、そのリスクをどのように把握し、対策を考えておくのか、について研究を進める必要がある。
【研究概要】
感染症媒介蚊の生息ポテンシャルマップの検証
琵琶湖東沿岸地域におけるポテンシャルマップの検証
蚊が生息する土地被覆の傾向と捕集データをもとにポテンシャルマップを作成。
デング熱の流行リスクマップの作成
台湾の流行データを基にした流行リスク予測
デング熱流行地の気候値、社会指標から作成された統計モデルを非流行地に当てはめ、多様な要因を考慮したリスクマップを作成可能。
図1. 新しい緑化モデル
その他、蚊の流行リスクと植生のゾーニングより、都市緑化と吸血被害等の抑制の2つを組み合わせた研究も進めている。