【背景・目的】

 高齢化により神経変性疾患の一つである緑内障患者が増え、さらに緑内障は世界で最も多い神経変性疾患である。しかし、現状、最も早期に緑内障を検出できる視野検査にて診断された時点では、すでに網膜神経節細胞の約40%が失われていると考えられ、視野欠損進行の抑制については患者ごとに異なっている。よって、網膜神経節細胞の細胞死前に緑内障病態の発生、進行を検出できる概念が必要であり、本研究では軸索輸送障害の検出についてその可能性を示す。
 

【研究概要】
生体イメージング技術の開発

Intravitalイメージングによって細胞間相互作用、代謝等が保たれた条件下で、生命動態を直接評価できる。
 

2光子励起顕微鏡、ミトコンドリア標識マウス、アルビノを用いたイメージング技術の活用
 


図1. Intravitalイメージング 三次元再構成

Intravitalイメージング法を活用すれば、シングルの軸索を独立して認識可能
 

緑内障におけるミトコンドリア軸索輸送


図2. 加齢に伴う輸送時間と輸送距離の減少

 


図3. 眼圧上昇による軸索輸送ミトコンドリア数の減少と加齢による脆弱性

 


図2. 加齢による網膜神経節細胞内エネルギー備蓄の減少