【背景・目的】

 細胞外膜ベシクルとその受容細胞との相互作用や細胞内への取り込み機構は未知な部分が多く、膜ベシクルと受容細胞の相互作用を人為的に操作して、膜ベシクル内容物の細胞内移行を自在に調節する技術は十分に発達していない。

 本研究では、独自に研究を進めてきたヒト細胞由来の大型膜ベシクルhcGMV (human cell-derived Giant Membrane Vesicle) を化学物質やパルス電極、糖鎖酵素で処理して、これらの刺激によりhcGMVと受容細胞との相互作用やhcGMV内の分子群の受容細胞への細胞移行の反応効率を制御・操作する。

 

【研究概要】

hcGMVをRNA、タンパク質、膜脂質、糖鎖に特異的な蛍光プローブで染色し、蛍光を測定することで定量的に解析し、受容細胞との相互作用も可視化、定量可能。

 

免疫抑制剤をhcGMVに導入することにも成功している。

本研究ではhcGMV産生の最適化、効率的な精製、構成成分及び取り込み機序の一端を明らかにした。
hcGMVは他の膜vesicleに比べてサイズが大きく安定性が高いため、多量の分子群を操作できる。