【背景・目的】

　緑内障濾過手術は眼圧下降に優れた手術であるが、創部に生じる過剰な線維化により濾過胞機能不全となる予後不良症例も存在する。我々は、房水内のMCP (monocyte chemoattractant protein) -1濃度上昇が手術予後のリスクファクターであり、手術で作成した房水流出路の閉塞過程に強く影響していることまで明らかにしており、本研究ではMCP-1の役割を分子細胞生物学的に検証し、治療成績向上につながる線維化抑制の新しい理解を見出すことを目的とする。
 

【研究概要】

~研究成果一覧~

• 濾過胞内部構造のイメージング
• 線維柱帯切除術後における房水流出路の幅の経過と眼圧の関連
• 房水内生理活性物質と濾過胞内部構造の関連
• 2光子顕微鏡を用いた結膜下組織の生体内イメージング
• 損傷部位内での炎症関連細胞の活性化 (好中球やマクロファージを標識)

損傷部位にて炎症関連細胞が活性化しており、 MCP-1がその活性化に関与している可能性が推察される。