【背景・目的】

 骨髄異形成症候群 (myelodysplastic syndrome: MDS) は、造血細胞の異常な増殖とアポトーシスによる細胞死によって特徴づけられる多様性に富んだ難治性疾患であり、白血病の前癌状態でもある。MDSの患者骨髄細胞においてSALL4が高発現しており、SALL4のトランスジェニックマウスはMDSを発症することが報告されている。我々は、様々な解析により、多くのMDS患者骨髄細胞で、タンパクレベルにおいてもSALL4が高発現していることを確認しており、MDSにおけるSALL4の解析を進めることで、SALL4が、治療のターゲットになりうるかを明らかにする。 
 

【研究概要】


~研究データ概要①~

MDS患者で正常骨髄と比較し、SALL4Aの発現上昇がみられた。
また、多くのMDS患者で、造血幹細胞、前駆細胞にてSALL4が高発現していた。

 

~研究データ概要②~

各細胞内シグナルの発現上昇を確認し、SALL4とp53の関連性が示唆された。