少なくなったとはいえ、まだ各地に現存する江戸以前の建築の調査を実施し、建築的特色を明らかにする。また建築史上に位置づけることによりその価値を歴史的に把握する。
対象は、建造物全般で、寺社建築、民家・町家を含む住宅建築およびそれらの付属建築、城郭建築等である。
また、調査は、基本図面の作成のための実測、写真撮影、復原的考察のための痕跡調査、建設年代や修理時期、関与した工匠等を明らかにするための古記録調査等である。
国や都道府県の指定文化財、登録文化財としての価値判断などにも対応する。
なお、伝統的形式をもつ近代和風建築の調査や、単体の建造物が集合してなす伝統的建造物群(町並み等)の保存対策調査にも取り組んでいる。 |
今あるものは、たまたま残ったものである。すでに失われてしまった建造物にも素晴らしいものがあった、現存する一部の部材や古写真・古記録・絵図・指図等から実証的にすでに失われた素晴らしい建造物を復元する。具体的には、図面あるいはCG・模型等を作成することになる。
私の場合、特に、これまで十分省みられなかった細部意匠や彫物(彫刻装飾)・障壁画も重要視している。
この他、伝統的建物には大工をはじめ、彫物に関わった彫物大工や絵師、畳大工等々多くの工匠が関与していた。これらの工匠やその技術、図面(指図)に関わる研究も行っている |
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阿蘇神社楼門断面図 |

建造物の復元的研究(日光東照宮天井格間の絵) |
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