半導体 QTAT 生産拠点と次世代基礎研究
:産学官連携による原子(ナノ)スケール超精密半導体計測・加工技術開発 と その次世代半導体・FPD・映像デバイス・MEMS分野への展開 |
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コアテーマの「超精密ステージ技術」は,原子ナノスケール生産技術を必要とする「次世代半導体の生産技術の激変」が到来した際に,電子顕微鏡に使われている電子ビームでウエハーに書き込み,検査をする技術を基礎から支える.
「超精密ステージ」とは,このウエハーを支える台である.電子顕微鏡により,台の上で原子レベルの物質を見たり細かい針で操作したりするのは大学レベルで可能である.ただ,電子顕微鏡で1回見た後,台を動かすと元へは戻れない.視野の範囲が狭いからである.
300ミリウエハーに書き込みや検査を行なうために,原子分子レベルにスポットをあてかつ電子ビームを300ミリにわたって縦横無尽にステージを動かすことを可能とすることが,高性能デジタルカメラやモバイル・エンタテイメント機器,デジタルハイビジョン,さらには細胞操作技術による医療技術を発展させる. |
マスクを使わないレチクルフリー露光技術とウェーハー上のチップを直接検査できるナノプローブ技術が中核で,設計・プロセス加工・検査修正を一体化した新製造技術である.
レチクルフリー露光では設計データはCADシステムを用いて作成した業界標準の出力形式のデータを,マスクレチクルの代わりに装着したLCD(液晶)等の透過型の映像デバイス上のドットマトリクスとして映し出し転写する.マスク作製時間や修正時間を極限まで短縮できる.
一方その作製したデバイスを即座に直接検査する技術としてのナノプローブ技術とは、半導体ウエハ上に形成されるデバイス自身の複数の端子に、金属電極パッドを形成することなく、メタライゼーションフリーで直接コンタクト可能なプローブ位置決め技術である。
数センチメートル角の半導体チップ上に数十万~数億個の微細デバイスが集積され、どの点とどの点の間も自在に電気計測ができる. |
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[キーワード] 超精密,位置制御,半導体,集積回路,設計技術,製造技術,触覚センサー,超平坦鍍金・めっき, 低次元電子,半導体プロセス解析技術,大型FPD,ムラ検査,遺伝子組み換え,細胞操作,ナノサージャリー |
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近年の生産拠点のアジアシフトに対して日本ではより高度な技術イノベーションによる高付加価値製品の製造とその製品の創出の俊敏性(Quick Turn Around Time:QTAT)が問われている.そのためには,単に中央の下請け量産拠点から脱却した頭脳拠点化を図り,課題解決を知識によるのではなくイメージできる人材育成事業と連携しながら世界に選ばれるQTAT 生産拠点形成に熊本大学として貢献することが目標である. |
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