金属格子を用いた表面プラズモンセンサの開発と3次元フォトニックバンドギャップ(PBG)構造の実現可能性の検討

大学院自然科学研究科 情報電気電子工学専攻 先端情報通信工学講座
教授・奥野 洋一
助教・周山 大慶

URL:http://www.dempa.cs.kumamoto-u.ac.jp/
E-mail:okuno@gpo.kumamoto-u.ac.jp
1.金属格子を用いた表面プラズモンセンサの開発
金属格子に光を照射してプラズモン表面波を励振すると、共鳴吸収の起こる入射角または波長が、周囲の屈折率に依存する。 このことを利用して、非破壊でしかもin-situの屈折率計測が可能である。 試薬を用いずにリアルタイムで金属格子表面上の溶媒やガスの屈折率を検出することができるため、今までの化学センサーより、迅速にかつ測定対象に直接影響せずに様々な液体(液体水素、アルコール、血液など)気体(水素、ガス)の濃度を測ることが期待されている
2.3次元フォトニックバンドギャップ(PBG)構造の実現可能性の検討
2次元の多層膜回折格子を適当に設計することによって、PBG特性を持たせることが可能である。 この構造は、現在の微細加工技術によって、安価に実現可能である。 理論的な解析には、最近開発した「深い格子の問題のモード展開による解法」を用いる。 2次元のPBG構造についてはかなりの解析例が発表されているが、3次元についてはあまり見当たらない。 我々は、理論計算によってPBGの実現可能性を探り、その光ICなどへの応用について検討を行っている。


[キーワード] 金属格子、表面プラズモンセンサ、2次元の多層膜回折格子、フォトニックバンドギャップ
我々はコンピュータシミュレーションを用いた高機能素子の設計などが行われ、計算電磁気学のいっそうの普及と発展に貢献し、多くの信頼性と汎用性をもつ手法を提案した。これから、電磁環境、光通信などの分野への適用を展開している。