● MoN薄膜における超伝導-絶縁体転移と局在

MgO基板上に反応性DCスパッタリングで成膜したMoN薄膜における超伝導-絶縁体転移(SIT)を研究している。ノーマル面抵抗RsqNの増加に対するTcの減少は局在理論であるFinkel’ stein式で良く説明できる。臨界面抵抗RcRc ~ 2 Kと予測できる。Rc < RsqN < RQの範囲ではRsq(T)は弱局在特性を示すことがわかった。しかしRsqN > RQの範囲ではRsq(T)は熱活性型ホッピング特性を示す。熱ゆらぎによる過剰伝導度σ’(T)はAslamazov-Larkin項とペアブレーキングパラメータδを用いたMaki-Thompson補正項の和で解析した。磁場によるSITもMoN薄膜で観測された。SIT点の近傍で全てのRsq(H,T)データはスケーリング変数の関数としてのプロットにおいて二つのカーブにのった。今回得られた臨界指数値 ~ 0.6は(2+1)次元古典XYモデルの数値シミュレーションから得られた値に近い。